2013.12/03 Tuesday

福島〜小鳥のさえずり  ホセ・マリア・シシリア展




福島にて、イベント「うつくしま・ふくしま身体と心の癒しフェア」に参加した次の日観たかった
「ホセ・マリア・シシリア  福島 冬の花 」展 に行ってきました。12月1日最終日となるこの日、
午前中の福島は風はなく空は青くそれほど寒くない日よりでした。

まず会場に入ると色彩があふれ出すようなポップなタペストリーがまるでさまざまな国の国旗のようにはためいて
出迎えます。一枚一枚、、、、
これらはあの日、3.11後の津波発生時、またその後の原発事故を起こした際のデータなどから音源を元に
分析され構成されていました。
スペインの現代作家、ホセ・マリア・シシリアさんのことを知ったのは
今回イベントで参加させていただいた主催者の
NPO団体の岩手未来機構さんのHPで、ホセさんが福島に来て子供たちとアートのワークショップをしている
記事をみていたからでした。実際に展示室の後半ではこの児童たちの作品も展示されており
子供たちのみなぎる創造性が躍動していました。

一番感動した展示では「無」と題されたインスタレーションです。会場全体が赤と白
壁面には大きなまっ白いエナメル質のコ−ティングがなされた長方形(畳一畳分くらいの)のトタン素材のパネルが17枚並んでいます。
「無」の後に続くのは東北沿岸部の被災地です。石巻、釜石、南相馬、、、、、、
まっ白な世界に浮かび上がるみえない、消えない、映像で見たあの悲惨な状況がまるで記憶のコードのように
聴こえてくるのでした。(実際にその時の音や映像から記号化された暗号のような文字が浮かび上がっているものも見えた)

空間には真っ赤なグラスファイバー製の波型のオブジェが人の顔のように命のように揺れています。
タイトルは「瞬間(鳥のさえずり)」

空間の一番端にあった黄金(ブロンズ)のオブジェのタイトルは「MIKI ENDO」とありました。

最後まで避難勧告のメッセージを人々に流し続けた遠藤さんの魂が黄金いろのオブジェとなって赤い人々を導いているかのようにも感じました。

この紅白の空間で日の丸の色、キリストボトルの色(オーラソーマの55番:クリア/レッド)
を呼吸していると、あの津波の映像といっしょに遥か上方へと向かっていく魂たちへの弔いと供養か、両の手がひとつにびっしりと組み合わさるのでした。それは祈りでした。

そして超えていくために降ろされる祝福の光がこの遠藤さんのオブジェから放たれているかのようでした。
私は立ちすくみ脳内の声を無くし、涙がにじんできました。
そこには感情の高い位置にある精神の要から上の方に伸びた手が彼らの魂を呼びよせ
津波の中に融けていく光たちを垣間見る気がしたのです。

ホセ・マリアさんは福島・冬の花という展覧会のタイトルにしています。

次の展示室では
大判の和紙にインクで描かれたペインティング作品でした。
色とりどりの作品群、地形や、波形のような模様の向こうに広がる踊る色たち。生命と科学
自然の偉大さと儚さ。

展示のちらしには、このアートプロジェクトは”瞬間、アクシデント、はかなさ、記憶、忘却”
について展開されるとありました。

最後のコーナーでは
福島第一原発の原子炉1号機の温度、圧力、放射線量データを視覚化した金製や樹脂の小さなオブジェたち
観ているといびつなその形にそぐわないフィーリングが起きてきてあまり見つめると、メンインブラックに出てくるような昆虫型のへんてこな宇宙人をみるような変な気持ちになりました。
また違和感というような感情をかきたてるそのフォルムはなんだかいい気持ではなかった。

作品としてはユニークだが、これをどう受け取るかということになると
困難な思考回路が廻ってくる。
それもひとつの記憶なのだろうか。

その横で子供たちの作品が元気に並んで見るのをみるとホセさんが伝えたいことの半分も私たちの集合意識では
まだ受け取りきれない科学(化学)の反応があるのではなかろうか。
科学的な表現の底にあるのは熱くあたたかな人間への生きる賛歌であり、創造が困難を乗り越えることの勇敢さを
願っているようにも感じる。
そこには同情も、宗教的な善良な慈愛の精神などは感じられず、ただニュートラルな視点が向けられているが、
対象をとらえながらもはずしてくれているインテリジェンス豊かな暖かなユーモアがすべてにおいて垣間見える。
このような表現はやはりこの作家のARTのちからだと思いたい。
スペインのアーティストであるホセ・マリア・シシリアさんは311以降何度も福島、岩手にいらして
子供たちとアートのワークショップを開いている。
ご本人いわく
子供たちの創造に救われた。とおっしゃっている記事をみた。

福島 冬の花

この道のりに咲く花は尊い
冬に咲く花 
生きる花たちに向けられている生命のちからだ。

春に一番近い場所。
希望に咲く丘が見える。

この展覧会はできれば被災地をめぐり、日本中を、世界を巡回してほしい。

このアーティストを通してもたらされた創造の力とバランス
2011.311からのプロセス。

体感した。共有させていただきました!


こちらのサイトで展示風景が紹介されています。
またご本人のインタビューも(スペイン語ですが)

http://galerialibro-art.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/jos-mara-sicili.html

岩手未来機構
http://www9.ocn.ne.jp/~iwatemrk/concept.html

 


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今年もシドマリークラーク展開催します!ぜひご来場ください。
今年のシドもやばいです!お楽しみに!

http://www.star-poets.com/gallery/history/sidd2013/index.html
 

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